欧米の石油制裁のおかげで「中国は数十億ドルの節約に成功」:ロイター

ロシア、イラン、ベネズエラに対する制裁措置の意図せざる結果として、北京の原油輸入コストが低下した、とロイター通信が報じた。

RT
16 Oct, 2023 06:44

船舶追跡業者や貿易業者のデータに基づくロイターの報道によると、中国は今年、欧米の制裁下にある国々から割安な原油を輸入し、数十億ドルの節約に成功したという。

ロイター通信によると、ロシア、イラン、ベネズエラからの原油購入は、7月以降、供給逼迫により国際原油価格が急騰する中、北京が約100億ドルを節約するのに役立っているという。

米国などがロシア、イラン、ベネズエラに課した制裁措置の意図せざる結果として、経済的ライバルである中国の石油精製業者の原油輸入コストが下がった。

ロイター通信は、Kpler社とVortexa社の船舶追跡データを引用し、中国は制裁下にある3大石油輸出国から、1月から9月にかけて過去最高の日量276.5万バレルを輸入したと伝えた。

もし中国の輸入業者が、制裁を受けていない生産者から同様の油種を購入していれば、100億ドル近く多く支払ったはずである。S&Pグローバル・コモディティ・インサイツの需要調査部門グローバル・ヘッドであるカン・ウー氏によれば、この節約額は中国の石油輸入額全体から見ればほんのわずかであるが、独立系精製業者、いわゆる「ティーポット」にとっては重要なことである。

モスクワ、テヘラン、カラカスからの原油供給は、中東、西アフリカ、南米からの代替原油を押しのけ、今年1~9月の中国の輸入の4分の1を占めた。

原油価格が上昇し、ロシア産原油のグローバル・ベンチマークに対するディスカウントが縮小しているにもかかわらず、ロシアはサウジアラビアを抑え、世界最大の原油輸入国である中国への唯一最大の石油供給国であることに変わりはない。

中国の税関のデータによると、西側の制裁措置によりモスクワがEUからインドや中国への輸出の流れを変えたため、中国へのロシア産原油の納入量は今年1~8月の間に年間ベースで25%急増し、7,120万トンに達した。

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