「欧米企業、香港からの撤退を加速」-ウォールストリートジャーナル紙

香港からの撤退は、中国が香港への影響力を強めているためと言われている。

RT
25 Oct, 2023 15:21

ウォール・ストリート・ジャーナル紙が火曜日に報じたところによると、中国政府による管理体制が強化される中、国際企業は香港特別行政区からの撤退を加速させている。

同ジャーナルが引用した政府データによると、香港で働く米国企業の数は4年連続で減少しており、2022年6月には1,258社と2004年以降で最低となった。

さらに、この30年間で初めて、香港に地域本部を置く米国企業の数が中国本土企業の数を下回った。

香港で調査・出版会社を経営するサイモン・カートレッジ氏は同紙に対し、「以前は香港で事業を行うことは、かなりリスクのないことだった。今はリスクのない場所ではない。すべてに疑問符がついている」と語った。

156年間イギリスの植民地であり、後にイギリスの従属領土となった香港は、1997年に中国の統治下に戻った。北京とロンドン間の合意によれば、香港は少なくとも2047年までは自治と司法の独立を保つことになっている。

最近まで、香港は中国本土に近いため、欧米の大手企業が好んで進出する場所のひとつだった。

2020年、北京は国家安全保障法を導入し、香港から中国本土への犯罪者の引き渡しを可能にし、分離独立、破壊工作、テロリズム、外国勢力との共謀などの犯罪を成文化した。

この新たな措置に加え、中国による外国企業への取り締まり強化、中国本土の景気減速、ワシントンと北京の緊張の高まりにより、外国企業は香港からの移転を余儀なくされているという。

セレンディピティ・キャピタルの創設者であるロブ・ジェスダソンは、2019年に香港からシンガポールに移転したとメディアに語った。

オーストラリアの銀行ウェストパックも撤退し、ナショナル・オーストラリア銀行もこれに続く予定だと報じられている。現在、米国と英国のデューデリジェンス会社3社がこの地域から従業員を移転させている。カナダ最大の年金基金のひとつであるオンタリオ・ティーチャーズ・ペンション・プランは、香港を拠点とするストックピッキング・チームを閉鎖したと報じられ、カリフォルニアを拠点とするTTMテクノロジーズも同様に移転した。

米海運大手のフェデックスは香港からシンガポールに、オフィス家具メーカーのスチールケースはすでに香港から地域幹部を移転させている。

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