米国「EUの銀行を制裁で脅す」

ワシントンは、オーストリアの銀行大手ライファイゼンがロシアで行っている業務について警告を発したと報じられた。

RT
10 Mar, 2024 09:53

オーストリアのライファイゼン銀行はロシア最大の外資系金融機関だが、ロイターが引用した米財務省の発表によると、ロシアの軍事資金を援助していたことが発覚した場合、「米国の金融システムから切り離される」リスクがあるという。

「ワシントンが再び制裁を強化する一環として、このオーストリアの銀行に対し、ロシアへのエクスポージャーを調査し、『緩和策を講じる』よう促すだろう」と、米財務省トップのアンナ・モリス氏は今週初めに述べた。

EUのニュースサイト『EUオブザーバー』が土曜日に報じたところによると、ライファイゼンはロシアでのビジネスに対する制裁の可能性について米国と協議していることを確認したという。

同銀行は、「当局の代表者との話し合いについて、原則的に公にコメントすることはない」とし、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

ライファイゼンは、ロシアで営業している最後の欧米系大手金融機関のひとつである。同行は、ロシア中央銀行のシステム上重要な信用機関13行のリストに掲載されている2行の外国銀行のうちの1行で、もう1行はイタリアのウニクレディトである。オランダの金融機関ING、ドイツのコメルツ銀行とドイツ銀行、ハンガリーのOTP銀行、イタリアのインテーザ・サンパオロ、スウェーデンのSEBもロシア市場で存在感を示している。

このオーストリアの金融機関は昨年、欧米各国政府からの圧力が強まったことを受け、9月までにロシア事業を分離する計画を発表した。同行を所有するRBIグループは、米国とEUからのロシアからの撤退を早める要求に抵抗してきた。欧州中央銀行(ECB)もロシア市場からの撤退を迫っている。

『EUオブザーバー』が引用したように、主にロシアで活動するドイツ企業のコーポレート・バンキングを行っているコメルツ銀行によると、米財務省当局者はドイツの金融業者にも新たな制裁の脅威について説明したという。

米国の制裁を恐れているのかとの質問に対し、ドイツの金融機関は「制裁順守を最も重要視しており、ロシア関連の制裁リスク・エクスポージャーを減らすためにリスクベースの措置をとっている」と答えた。

一方、INGは同ニュースに、米国の新しい規則は「ロシア軍部に利益をもたらす重要な取引を促進したとの理由で、同行が制裁を受けたり、一定期間米ドルの決済システムへのアクセスを拒否されたりする可能性がある」と語った。しかし、同行は、「国連、EU、OFACを含むすべての国際制裁法を遵守している」ため、リスクはないと考えている。

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