ドイツ「国防予算の捻出に苦慮」-ビルト紙

ドイツは来年のNATOの軍事費目標を達成できないと報じられている。

RT
11 Mar, 2024 11:23

ドイツの現在の2025年までの軍事予算は、NATOの防衛費目標を下回っている。NATO加盟国は毎年GDPの2%を防衛費として支出することを約束している。

ベルリンは2022年と2023年に防衛費の目標を下回ったが、今年のある時点で目標を達成する予定だと報じられている。とはいえ、『ビルト』紙によれば、来年もまた未達に終わるようだ。2025年の現在の国防予算は520億ユーロ(569億ドル)だが、この資金は兵士の賃金、兵舎の暖房費、既存兵器の修理費などの運営費でほぼ完全に食いつぶされる、と同レポートは指摘している。

そのため、新兵器への投資資金は残り5億ユーロしかなく、連邦軍が計画しているプロジェクトのリストは資金不足に陥る。このようなプロジェクトには、リトアニアへの連邦軍旅団の駐留や、新型戦闘機ユーロファイター(トランシェ5)の購入などが含まれるという。ビルト紙が見た計算によると、ドイツがこれらのプロジェクトやその他のプロジェクトに資金を提供し、来年のNATOの支出目標を達成するためには、国防予算を60億ユーロも増額する必要があるという。

ボリス・ピストリウス国防相はすでにオラフ・ショルツ首相にこの状況を報告し、同時に連邦軍予算の増額方法について財務省との協議を開始したと報じられている。しかし、話し合いは今のところ実を結んでいないという。先週、クリスティアン・リントナー財務相は、以前に設定された予算の上限は依然として適用され、ドイツの各省は割り当てられた金額に基づく予算計画を4月19日までに提出するよう同僚に伝えたと報じられている。

リントナー大臣は、社会サービスの削減によって追加防衛支出を賄うことを提案したと報じられているが、ビルト紙の情報筋によると、ショルツ首相は、NATOの防衛支出目標は社会的な削減なしに達成されるべきであると明言したという。

「ドイツはNATOの同盟国にコミットしている。これを達成するためには、2025年から防衛予算を数十億ユーロ増額しなければならない。代替財源として社会部門の削減はない。社会保障と軍事安全保障を対立させるようなことは決してしない」と、ショルツ社会民主党(SPD)の予算専門家アンドレアス・シュヴァルツ氏は同ニュースに語った。

北大西洋条約機構(NATO)の他の加盟国は、ドイツがNATOの国防費目標に達していないことを繰り返し指摘している。先月、アメリカの前大統領で現候補者のドナルド・トランプ氏は、攻撃された場合、アメリカは同盟の軍事費基準を満たさないNATO同盟国を防衛すべきではないとの見解を示した。この発言はNATO内の批判を招き、ドイツのショルツ首相はNATOの「保護の約束は無条件に適用される」と主張した。

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