マイケル・ハドソン「文明の命運」p.205

第11章 お金と土地を公益事業として扱う国との戦い

今からおよそ半ミレニアム前(500年前)、ニッコロ・マキアヴェッリの『君主論』は、戦勝国が戦争で敗れたものの「自国の法律のもとで自由に暮らすことに慣れている国」をどのように扱うかについて、三つの選択肢を挙げている。「第一は彼らを破滅させること、第二は自らそこに住むこと、第三は彼らが自分たちの法律の下で生活することを許可し、貢ぎ物を取り、その中にあなた方に友好的な寡頭制を確立することである。」と述べた。

マキャベリは、ローマがカルタゴを滅ぼしたことを引き合いに出して、最初の選択肢を好んだ。2001年以降、米国がイラクやリビアに行ったのは、そのようなことだ。しかし、今日の世界では、キューバ、イラン、ベネズエラ、そしてあまり成功していないロシアや中国に課したような貿易妨害や金融制裁によって、軍事戦争よりもはるかにコストの低い方法で致命的な破壊を行うこともある。敵対国にとって不可欠な技術や情報処理能力、原材料、信用へのアクセスを拒否することである。

第二の選択肢は、ライバルを占領することである。これは、海外に750あるアメリカの軍事基地に駐留する軍隊によって部分的に行われているに過ぎない。より効率的で収益性の高い占領は、企業の基本インフラ、土地、天然資源、銀行、公共事業の買収によって行われる。その効果は、帝国中枢のための経済的レント、利益、利権を吸い上げることである。

トランプ大統領は、イラクとシリアの石油を、彼らの社会を破壊するコストの賠償金として押収したいと言った。彼の後継者であるジョー・バイデンは、2021年に就任すると、ヒラリー・クリントンの忠誠者ニーラ・タンデンを政府の高官に任命しようとした。彼女は、アメリカが冷戦時代の支出を賄うために、リビアにその膨大な石油埋蔵量を引き渡させるべきだと迫ったのである。「我々は巨大な赤字を抱えている。リビアには大量の石油があります。ほとんどのアメリカ人は、その赤字のために世界と関わりを持たないことを選択するでしょう。もし我々が世界と関わり続けたいのであれば、石油資源の豊富な国々に部分的に返済してもらうような身のこなしは、私にはおかしなことではないように思えるのです。」