マイケル・ハドソン「文明の命運」p.222

米国経済は、中国の競争とは関係なく、脱工業化しつつある。中国の成功したシステムに反対する一方で、金融化されたレントシーキングによる自国経済の民営化を支持するという点で、米国の政策は自滅的であるように思われる-まさに「属国」を支配するために用いてきた政策と同じである。元財務長官でゴールドマン・サックスのヘンリー・ポールソン氏は、米国の政策のジレンマについて、「自国の経済力が低下している一方で、中国の経済力は増大している」と指摘している。中国がWTOに加盟した2001年、米国企業は生産拠点を海外に移せば利益が上がると考えた。しかし、その代償として、アメリカの工業の中心地であった場所が、廃墟に変わってしまった。

米国の反応は、経済の立て直しではなく、新自由主義的な金融化と労働力の底辺への競争に従わない国に対する好戦的なものであった。「世界中の投資家が中国の株式に投資して利益を得ている一方で、ワシントンは米国の投資家がそうすることを難しくしている。」「何かが劇的に変化しない限り、中国は世界で最も急速に成長している主要経済国であり続け、当分の間は米国を上回る規模になるだろう。」「一方で、国内では、ワシントンは請求書を支払うことができなくなる。」

アメリカの経済戦争と制裁は、中国、ロシア、その他の国々を、経済の脱ドル化によって自らを守るように駆り立てている。これは、財務省証券基準の国際収支のフリーランチを終わらせる恐れがある。

中国もまた、米国が支援する貿易・金融制裁から自国経済を守るため、必需品の自給自足を目指すようになっている。それは、技術的な自立と、米国圏から孤立して自国経済を支えるだけの食糧やエネルギー資源を供給する能力である。また、SWIFTに代わる銀行決済システムをコンピューターで構築することも必要である。

同様に、1990年代後半からロシアが直面している課題は、資産剥奪やロンドンなど欧米への資本逃避で富が消えていくのではなく、いかに国益のために投資するかということである。問題は、プーチン大統領が、比較的少数の手に集中している富を扱わなければならないことである。広く地に足のついた繁栄を実現するための規制や税制を作るには、もう一回革命を起こす必要があるかもしれない。

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午後4時半で仕事が終わったと思いきや、ナショナルスタッフがアヌラダプラの遺跡をあちこち見に連れて行ってくれて、みんなで夕食を食べ始めたのが夜8時、ホテルに戻ったのは9時すぎでした。
明日も仕事が夕方に終わったら4時間かけてキャンディへ帰るので、翻訳する時間を確保できるか心配です。