マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.9

政府と民間との関係の問題を最も厳密に表現したのは、シカゴ大学のレッセフェール理論家ジェイコブ・ヴィナーであった。彼は「国家に支配された国民経済の国際関係」と題する講演で、「私企業は通常非国民であり、政府は自動的に愛国者である」という考え方に異議を唱えた。さらに、国家経済計画は本質的に好戦的であり、利益動機は国際紛争の浪費と破壊を防ぐ最良の保証になると彼は警告した。企業は戦争に行くことはできないが、政府は権力と名声の究極の表現として戦争を見出しているのである。ヴィナーは、次のように希望的観測で結んでいる: 「国際経済関係のパターンは、自由企業経済の世界では、国家が運営する国民経済の世界よりも、国力や国威発揚の考慮による影響がはるかに少なくなるであろう。」

これは、社会主義理論とは正反対で、強力な企業カルテルに煽られる場合を除き、各国政府は本質的に平和的であると仮定していたのである。ホブソンは、「国家間の利害の対立は、国民全体の利害の対立ではなく、国家内の階級的利害の対立である」と主張していた。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの利害は共通であるが、個々の製造業者や輸出業者の利害はそうではない。

第一次世界大戦後の戦争債務と賠償金は、この一般性に疑問を投げかけるものであった。ヴィナーの自由放任主義によれば、国家統制経済の世界では、国家間の対立傾向、つまり戦争の可能性は小さくなるどころか、むしろ大きくなるという。特に1930年代の経験を振り返って、「国際経済関係において、国家の統制が私企業に取って代わられることは、ある種の必然性をもって、一連の望ましくない結果をもたらすであろう。すなわち、すべての主要な国際経済取引に政治的要素が注入され、国際貿易が競争優位から独占優位に転換し、ビジネス紛争が国際摩擦を引き起こす可能性が著しく高まる」等々、指摘されている。この観点からすると、政府が考え実行する国家間の対立は、民間の輸出業者、銀行家、投資家の間の商業的対立よりも、本質的に好戦的であった。