「電気自動車で先行する中国」に追いつこうと苦闘する欧州自動車メーカー

中国の最先端自動車メーカーが、新しい排ガス規制を利用し、競争力のある価格の電気自動車で欧州自動車市場に進出している。そして今、老舗自動車メーカーが対抗策を模索している。

James Tweedie
Sputnik International
05.09.2023

成長を続ける電気自動車(EV)市場において、欧州の自動車メーカーは中国の競合メーカーとの差を縮めようと奮闘している。

今週、ドイツのミュンヘンで開催されるIAAモビリティ・モーターショーでは、主要メーカーが最新モデルを展示している。

欧米諸国では、電気自動車やハイブリッド車を奨励する法律や規制が相次いでいるが、一方でガソリン車やディーゼル車の新車発売は締め切られている。

ルノーのルカ・デ・メオCEOは展示会で、「一世代早くEVに着手した中国勢とのコスト差を縮めなければならない」と語った。

デ・メオCEOは、2024年に発売予定の新モデルR5は、70~80年代のクラシックなルノー5ハッチバックを電気で再現したもので、価格は現在のシーニックやメガーヌの電気自動車より25~30%安くなると付け加えた。

しかし、BYD、Nio、Xpengといった中国企業がヨーロッパ市場をターゲットにしているのを阻止するには十分ではないかもしれない。

昨年中国で販売されたEVの平均価格は3万2,000ユーロ(約3万4,500ドル)以下だったのに対し、欧州では5万6,000ユーロ(約6万500ドル)だった。

欧州のEV市場における中国のシェアは、2021年の4%から現在の8%へとすでに倍増しており、今年の自動車ショーに出展している企業の5分の2はアジア系である。

「かつてはドイツの自動車産業がその極めて強力な地位を示すためのパフォーマンスであったものが、今では世界各国、特に中国の先進的なプレーヤーが対等に顔を合わせる場となっている」と、コンサルティング会社オリバー・ワイマンのファビアン・ブラント氏は語った。

彼らに勝てないなら、彼らに加われ

EVを製造する上で大きなコストのひとつとなるのが、動力源となる大型バッテリーだ。特に、バッテリーを製造するのに必要なアルカリ金属リチウムの価格は、ここ数年で4倍以上に上昇している。

ルノーと同様、スペインのシートやチェコのシュコダを傘下に持つドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンも、古典的なリアエンジンのキャンピングカーを模倣したEV、新型ミニバン「IDバズ」でノスタルジアを演出している。

VWグループのオリバー・ブルーメCEOは、バッテリーの生産コストを半減させるために中国企業と提携していると述べた。

「我々はコスト面で努力しなければならない」とブルーメは語った。

sputnikglobe.com