「世界は『債務津波』に直面」-ブルームバーグ

先進国で債券利回りが大幅に上昇、中央銀行が膨大な保有資産を売却

RT
26 November 2023

ブルームバーグが今週報じたところによると、先進国全体で財政赤字が膨らんでいるため、来年はソブリン債の売りがさらに増える可能性があるという。

同メディアの分析によれば、中央銀行が量的緩和によって積み上げた巨額の債券保有残高の削減を加速させているため、これは最悪のタイミングになるという。

ブルームバーグは、「このダブルパンチは、債券利回り、特にカーブの長い方の利回りが、2024年は厳しいものになることを意味する」とし、米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(GBB)は、バランスシート縮小への熱意を抑えるべきだと指摘した。

同レポートに引用されているバンク・オブ・アメリカによると、来年の国債発行額は過去最高の1兆3400億ドルに達すると予想されている。一方、2026年のアメリカの財政赤字は2兆ドルに達すると予測されている。

同レポートは、債券価値には複数の要因が影響するが、「変化し続ける世界で不変なのは、国債発行額の増加である」と指摘している。

米FRBは2022年6月以来、毎月950億ドルずつバランスシートを縮小しており、これまでのところ7.8兆ドルまで縮小している。

ブルームバーグは、FRBによる金融引き締めと米国債の供給拡大の組み合わせが「致命的」となるリスクは残っていると書いている。

ドイツ、フランス、イタリア、スペインが来年1.1兆ユーロ(1.2兆ドル)以上の国債売却を増やすと予想されているEUでも同じことが起こるかもしれない。欧州委員会も1500億ユーロの債券を発行する見込みだ。

報告書によると、QE再投資を若干縮小することさえも不利に見えるが、これはユーロ圏にとって「第一の防衛線」であり、満期を迎えたドイツ国債をイタリア国債の購入にリサイクルすることを可能にしている。

一方、英国の国債供給は来年、今年より20%急増し、約2600億ポンドになると予想されている。イングランド銀行はFRBやECBの2倍のペースで減額を続けている。

「中央銀行は利上げサイクルの頂点に達しているとの見方が強まっているが、QE債ポートフォリオの削減は金融引き締めを続けるだろう」とブルームバーグは書き、来年の世界的な成長低迷の可能性は、利下げかバランスシート削減の一時停止、あるいはおそらくその両方の直前に訪れるかもしれないと指摘した。

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