イランの無人機、需要が生産能力を上回り「飛ぶように売れている」と最高司令官


Ilya Tsukanov
Sputnik International
2023年9月18日

イランは、イラク侵略戦争中の1980年代に初めて無人航空機の設計に手を染め始め、ここ数十年で技術的ノウハウを蓄積し、世界でもトップクラスの無人機大国となった。

イランの軍用無人航空機に対する需要は、防衛部門の生産能力を上回っていると、モハマド・バケリ国軍参謀総長が明らかにした。

「イランの防衛産業は飛躍的に成長した。以前は、外国から最も簡単な装備を輸入する必要があったが、わが国の防衛産業は目覚ましい発展を遂げた。かつては(防衛関連の)あらゆるものを買うことが禁じられていたが、今日ではあらゆるものを売ることが禁じられている。今日、われわれの無人機の顧客は、われわれの生産能力を何倍も上回っており、世界の主要国はわれわれの兵器に注目している」と、バケリ氏は月曜日、聖なる防衛週間と1980年から1988年のイラン・イラク戦争開戦43周年を記念する会議で述べた。

「今日、イランの弾道ミサイルの威力は世界のトップクラスにある。これは聖なる防衛の成果のひとつである。同様に、われわれのドローン戦力も拡大し、今日では世界の大国と競い合う偉大なドローン戦力となっている」と同司令官は付け加えた。

バケリ司令官は、イラン・イラク戦争は「イラン国民に押し付けられた」ものであり、イラン国民が望んだものではなかったと強調し、「しかし、われわれの国民は全力を挙げて自衛した」と述べ、「聖なる防衛は、損失のほかに、政治、経済、軍事、防衛、文化面で非常に重要な戦略的成果を含む多くの恩恵をわれわれにもたらした」とし、最も重要なこととして、領土保全、抑止力、自立の防衛を挙げた。

同司令官はまた、イラクとシリアでの対テロ部隊支援におけるイランの最近の経験が、近代的な複合武器作戦の計画・実行方法に関する見識を軍にもたらしたと強調した。

イランは1980年代半ば、イラン・イラク戦争中に情報収集の目的で、アバビル1号とモハヘル1号無人偵察機を初めて使用し始めた。1990年代以降、イランは短距離、中距離、長距離の偵察・攻撃用ドローンを幅広く設計・生産するようになり、プロペラを装備したものもあれば、ロケットを動力源とするものもある。

イランは50種類以上の無人機を運用し、さらに多くの無人機を開発中である。その中には、完全国産の自爆用無人機、長距離ロケットエンジン搭載の攻撃用無人機、さらにはイラン領空に誤って飛来し、捕獲されたアメリカやイスラエルの無人機を逆工作したものまで含まれている。

イランの防衛成果は無人機にとどまらない。先月、国防省兵站部のレズ・タライ=ニック報道官は、国防産業が軍全体の装備品需要の90%もの割合を占めていることを明らかにした。

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