サウジアラビア、新たな形式の国際調停者


Madi Khalis Maalouf
New Eastern Outlook
16.09.2023

2023年8月5日から6日にかけて、ジェッダで第2回平和フォーミュラに関する国家元首顧問と外務省代表による国際会議が開催された。主催国であるサウジアラビアは、42カ国の代表団をプラットフォームに集め、中東におけるロシアの主要パートナーとされる中国の参加も確保した。2日間にわたる協議の結果、何ら進展はなかったものの、サウジアラビアのメディアや専門家コミュニティは、誰もがこの会議を成功と評価した。そしてサウジアラビアの場合、これは空虚な言葉ではない。ジェッダ会談は単なるつかの間の外交交渉ではなかった。

ジェッダでの顧問団会議は、サウジアラビアの外交能力を示し、平和と安全保障を推進する国として見られるようにすることを第一に、そして最も明白に目標としていた。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子のリーダーシップの下、リヤドを世界の外交舞台における重要なプレーヤーとして位置づけ、重要な課題に対処する努力においてその能力を最大限に発揮する、サウジアラビアの新しいイメージを広めることである。

サウジアラビアの野心的な自己位置づけによって、「積極的中立」に賭けることへの疑問が提起されている。サウジアラビアは他のどの国よりも中立という考えに傾倒しており、そこから効果的な仲介役として活動できると強調されている。サウジ当局者によれば、サウジの楽観的な論調は、ウクライナ危機を解決することで他国の安全を守りたいというサウジアラビアの願望からきている。他国の指導者は、リヤドを手本に平和維持活動に従事する気になるだろう。リヤド王国は自国を、アフリカやラテンアメリカ、インドや南アフリカなど多くの国々からなる中立社会の一員とみなしている。このような戦略は、中立を保ち、ロシアとウクライナの両方と協力関係を追求することを選択する強力な国家群の存在を前提としている。

サウジアラビアのオブザーバーによると、ロシアとウクライナの紛争は、2023年8月初旬の時点で、どちらも決定的な勝利を確保できず、その目的を達成できなかったため、膠着状態にあったという。リヤドは、ロシア軍がウクライナの反攻に歯止めをかけたことは知っているが、ロシアが膠着状態の中で優位に立つために攻勢をかけることはないと確信している。サウジの専門家たちは、特にモスクワへの無人機攻撃に感銘を受けた。イエメン領内からの無人機や弾道ミサイルによる攻撃でサウジアラビア自身が痛い目にあったことが一役買ったのではないかと推測するのはもっともだ。

また、サウジアラビアの間には、ロシア連邦と共通の懸念を示すだけでなく、ロシア指導者の行動の正当性を評価したいという願望もある。リヤドによれば、モスクワは生き残りをかけて戦っているのではなく、サウジアラビアのイエメン作戦と同じような、失敗した軍事的冒険に陥っているのだ。世間一般に信じられているところによれば、和解の主な要因はプーチン大統領の個人的な地位であり、そうでなければ面目を失うため、武力紛争を成功させなければ撤退できないらしい。この評価には異論もあるだろうが、指導者像に過度に傾倒するアラブ政治文化の特質が色濃く反映されている。

一方、前線の行き詰まりにもかかわらず、暴力のさらなるエスカレートを予測して警戒するアラブ人も多い。黒海で始まった「港湾戦争」も、湾岸アラブ人が1980年代から認識しているタンカー衝突の可能性も、非常に心配だ。戦術核兵器の配備の可能性と、NATO諸国がこの紛争に公然と関与していることは、特にサウジアラビアを憂慮している。その結果、他の国々が努力し、何らかの「創造的な」解決策を打ち出さなければ、紛争は非常に長い間エスカレートし続け、新たな脅威と困難をもたらすという結論に達した。

ジェッダに40カ国以上から代表団が集まったことは、いかに多くの国際当事者が危機の終結を望んでいるかを明確に示すものだと言われている。リヤドは、中国代表の訪問を、ロシアの事実上の同盟国でさえも和平を待ち望んでいるというモスクワへのシグナルと見ている。

サウジの平和維持計画が実現する可能性は不透明だとしても、ジェッダでの会議はまぎれもなく多極化の流れを検証するものだった。サミットで多数を占めた「グローバル・サウス」の国々は、その立場をますます声高に主張するようになっている。その中で潜在的な指導者がますます目立つようになり、国際情勢においてより重要な役割を担い、世界の安全保障を維持するための説明責任を負いたいという願望を示している。しかし、このアプローチが実行可能かどうかは、現在の危機におけるロシア連邦の戦略的目的と、特別軍事作戦を開始するに至った課題をリヤドが理解できるかどうかにかかっている。

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