マイケル・ハドソン『貿易・開発・対外債務』p.1

はじめに

政治的背景

経済学は、世界がどのように機能しているかを客観的に記述することを目的とした「利害関係のない」科学ではない。その着想は無邪気さよりも政策志向やイデオロギー的なものであり、国家の運命が問題になっているからである。保護主義を意図して始まり、債権者または債務者の利益のいずれかが問題となる。そして必然的に、国際依存か国家自治のどちらかを支持する政策結論が導き出される。単なる理論以上の教義を作るというこの目的を考えると、経済モデルを構築する最初の仕事は、あらかじめ決定された政策を支持し、他の政策結果につながるような考察を排除するために、どのような前提、範囲、方法論を置かなければならないかを発見することである。

過去100年にわたり、先進債権国の利益を代表してきた経済正統主義は、あたかも事前に調理されていないかのように、結論を促進する必要性によって制約されてきた。今日の正統主義の大前提は、政府が介入を控えさえすれば、世界経済は所得の平等を促進するように自動的に機能するというものであるため、体験的な経験は脇に追いやられる。各国は、債権国である先進国が何世紀にもわたって形成してきたものであれば、すべては最善の方向に向かうと言われている。自由貿易と無制限の資本移動に反する政策的結論をもたらすような前提、証拠、方法論は排除され、国の政策が過去数世紀にわたって経済発展をどのように変えてきたかを分析することは、貿易と投資を労働と資本の異なる自然の「恵沢」、つまり「要素比率」から生じたものとみなすことによって、抑制されている。国際的な所得と生産性の格差が拡大しているにもかかわらず、経済学者たちは収束をもたらすために必要な論理的条件について推測を続けている。


---
土曜の夜に、過去記事の修正作業をしていたら、修正記事が100件を超えてしまい、はてなブログの「24時間に100記事以上投稿できない制限」に抵触して、24時間、新規記事を書くことができませんでした。(今やっと復旧。。。)せっかくの日曜に訪問してくださった方には、お詫び申し上げます。